透視図と平行投影図の重ね合わせ

これまでの説明を踏まえると、消失点の位置を求めるには、平面図や側面図などの平行投影図が必要であることが分かります。 しかし、作図の度に本命である透視図以外の図面を用意するのは、できれば避けたいところです。 最終的には平行投影図を全廃したいところですが、(と言っても頭の中に相当の情報は持っておかなければなりませんが) とりあえず透視図とそれ以外の図を重ね合わせて、紙面のコンパクト化と作業の省力化を図りたいと思います。
本章以降は原則として混合図のみを使用しますので、本項は必ず目を通してください。

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透視図と平行投影図の重ね合わせ

[Click] 投影対象のオブジェクトは常に省略可?

スライドのPAGE5では、PP奥のオブジェクトの作画を省略できると書いていますが、常に省略が可能というわけではありません。今後紹介する足線法という作図法を使う場合は、SPと物体の位置関係を厳密に定めた平面図が必要になりますので、投影対象の物体を省略して作図することは許されません。上のスライドのように、単に消失点の位置を求めたいだけであれば、物体の角度さえ判明していれば作図ができますので、厳密な意味での平面図や側面図は不要です。


[Click] SPとSPvは常にVCから等距離?
※本項は○点透視の章に目を通したあと、読み返してください。

これは透視図に対して、平面図と側面図をどのように重ね合わせるかによります。本サイトで紹介している方法に限定すれば、1点透視図では常に等距離になります。 水平2点透視図の場合、何を側面図と定義するかによりますが、視心と直交する方向に側面図を取るならば、1点透視図と同様の関係になりますので、SPとSPvはVCから等距離になります。(本サイトは基本的にこの考え方です)

もし2点透視の座標軸と直交する向きに側面図を定義するならば、消失点(VP1 or VP2)の垂直線を軸としてSPが測点(MP1 or MP2)と重なる向きに側面図を回転させることになります。この場合、SPvは測点(MP1 or MP2)と一致しますので、VC-SPとVC-SPvの距離は一致しません。ただし本サイトでは2点透視図のSPvは1点透視図と同等の考え方をしており、測点をSPvと表記することは行っていません。

垂直2点透視図および3点透視図では、平面図をPP面まで回転させるとき、水平線を軸とし、仰俯角と同じ角度だけ回転させることになるため、やはりVC-SPとVC-SPvの距離が一致しません。 平行投影図と透視図の詳しい関係については、立体図で確認してください。(○点透視の章で解説しています)



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