画角と消失点の関係

この節では画角と消失点の関係について説明します。

画角40°(左右各20°)の範囲内に、視心から20°傾いた正方形パネルを配置します。 このパネルの一辺は、下図に示す通り画面の左端に消失点を持ちます。 (理由が分からない場合は水平方向の消失点を読み返してみてください)

消失点と画角の関係の説明図

このことをより深く考察すると、次の事実が判明します。

視心から角度θ傾いた直線の消失点が画面内に入る条件は、画角がθより大きいときである。

2点透視の消失点と画角の関係

「2点透視では2つの消失点を画面内に入れてはならない」ということを耳にした方は多いのではないでしょうか。 理由は至極簡単で、2つの消失点が画面内に入るとき、画角は必ず90°以上になるからです。

2点透視で正方形を描く場合、消失点はSPから見て正方形の辺と平行な方向に発生します。正方形はすべての角が直角な図形ですから、SPから見た2つの消失点もまた90°の角度差を持つことになります。 そして2つの消失点を画面内に入れようとすると、図の通り画角は必ず90°を超えます。

2点透視で2つの消失点を画面内に入れてはいけない理由

画角が90°以上あるということは、左右のいずれかが45°以上の画角を持つことになります。片側で45°は相当な広角であり、広角領域(視心から離れたところ)に正方形を描けば明らかな歪みが発生します。 よって、2点透視図で2つの消失点の両方を画面に入れることは一般的にタブーとされています。


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