透視図における画角の限界

透視図法における画角とは、SPからPPの端点までを結んだ直線が作る角度を指します。 投影の原理上、透視図法ではどれだけ画面を広げようと、180度以上の画角を実現することはできません。 言い換えると、観測者の後方は画面に投影できないことを意味します。 (真上、真下、真横なども投影できません)

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広角と望遠および画角の限界

広角と望遠の見え方の違い

広角と望遠の見え方の違い

この絵は広角と望遠の見え方の違いを示したものです。 手前の人物は60°視円錐の縁ギリギリに立っており、画角的には広角気味と言えます。 そして奥の人物は20°視円錐に収まっていることから望遠であることが分かります。

ここで望遠の人物を4倍ズームして、手前の人物と同じ大きさにしてみました。 ズームというのは要するに拡大コピーのことです。パースの掛かり方が変わるわけではありません。

さて、同じ人物でも画角によって見え方が大きく変わることが分かります。 広角の人物は全体的に立体感が強調されており、望遠の人物は人体の厚みがあまり感じられません。

これはどちらが良いということではなく、パースを扱う以上、画角による見え方の差異は無視できないため、 構図によってこれらの描き分けが必要であることを意味します。 また戦略的に両者を使い分けることができれば、表現力の向上が期待できます。


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