アイレベルと水平線の関係

おさらいになりますが、水平線(HL)とは地面を無限遠まで伸ばしたときに発生する線、すなわち地面の消失線のことでした。 アイレベルは地面を基準とした高さのことですので、図形的に考えると地面と平行な平面であると考えられます。 これをアイレベル平面と呼ぶことにすると、地面とアイレベル平面は平行ですから、消失線を共有するはずです。

アイレベル平面の立体側面図と透視図

ただし注意しなければならない点があります。特殊なケースを除けば(※1)、地面は透視図上で平面に見えますが、 アイレベルは常に直線にしか見えません。なぜなら、アイレベルはSPを通る平面だからです。 「消失点」の章で解説した通り、SPを通る平面は透視図上では直線にしか見えません。 これらを踏まえると、次の事実が浮かび上がります。

アイレベル上にあるすべての点は水平線上に現れる。
これは視線の向きが地面と平行であるかどうかに関わらず、必ず成り立つ性質ですので、 地面を持つ空間上でパースを扱う際に、非常に有用となる概念です。


※1:SPが地面と同じ高さにある場合は、地面もまた直線にしか見えません。
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