参考文献

本サイトの制作で使用した参考文献は以下の通りです。

書籍名著者出版社
パース! マンガでわかる遠近法デヴィッド チェルシーマール社
パース!2 マンガでわかるもっとディープな遠近法デヴィッド チェルシーマール社
建築の新透視図法 新訂版長尾 勝馬学芸出版社
射影幾何学入門 ―生物の形態と数学―丹羽 敏雄実教出版
図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み桑嶋 幹秀和システム
キャラとモノの基本スケール図鑑 パーソナル編ユニバーサル・パブリッシンググラフィック社
キャラとモノの基本スケール図鑑 パブリック編ユニバーサル・パブリッシンググラフィック社

項目別

項目文献(略称)詳細
透視図の定義パース!33-36透視図は視心と直交する画面に対して、視点を固定して(=のぞき穴から見て)描くことが示されています。ただし、画面を曲げても良いという解説には注釈が必要です。透視図法における画面は必ず平面でなければなりません。(画面を曲面にすると透視図の定義から外れ、パース2!の第6~7章で紹介される魚眼パースや円筒法になります。透視図法に拘らない遠近法全般について考えるのであれば、画面を曲げても問題ありません)
透視図の鑑賞方法パース!41SPに立ったときのみ、画面に描いた絵と周囲の風景が一致することが示されています。
パース!86広角の絵はSPに立ったときのみ正常に見えることが示されています。
パース2!77
広角によるゆがみパース!831点透視図で距離点(対角消失点)を画面に近づけると、画がゆがむことが示されています。
1点透視の奥行パース!77-781点透視図の奥行は描き手が自由に設定でき、対応するSPが存在することが示されています。
1点透視の距離点法パース!82-83距離点法という名称は登場しませんが、対角線の消失点を利用した正方形の作図法が示されています。
2点透視の介線法建築の新透視図法54-60介線法の作図例が5点ほど示されています。
2点透視の基線法建築の新透視図法38-44座標軸に沿った通常の基線法の作図例が5点ほど示されています。
パース!100-101基線法の応用として、視心を使う立方体の作図法が示されています。ただし作図原理の解説はありません。
垂直2点透視を3点透視に拡張する方法パース!117-119最初に垂直2点透視図を描いたあと、地面に斜め線を追加することで3点透視図に拡張する方法が示されています。本サイトではこの方法は紹介していません。
3点透視の視心と視円錐の作図パース!120-1213つの消失点を元に、視心と視円錐を作図する方法が示されています。
3点透視の対角消失点法パース!122ここでは各消失点と対辺の対角消失点を結んでできる直線同士の交点を基点とする作図法が示されていますが、基点は画面上のどこに配置しても作図できます。
円の透視投影パース!128-133空間上で円形のものは透視図上で、円、楕円、放物線、双曲線、直線のいずれかになることが示されています。
円と楕円の中心の不一致パース!136空間上での円の中心と透視図上での楕円の中心は一致しないことが示されています。
3点透視の円は2点透視に置き換え可能パース!1423点透視の正方形に内接する円は、(正方形を回転させることで)2点透視の正方形に置き換えて考えることが可能であることが示されています。このとき正方形の見かけ上の形は必ず台形になります。

パース! マンガでわかる遠近法

透視図法を含む遠近法全般について、漫画形式で基礎から丁寧に解説している良書です。 本サイトの内容も、本書から得た知識の影響を大きく受けています。

序盤は透視図の原理から始まり、消失点や1点透視図までは概念の説明が充実しています。 ただし2点透視以降は作図原理の解説が大幅に省略されており、作図法の説明のみに終始しています。 しかし「こうすればうまくいく」的な解説だけでは、自分の絵に応用することは難しく、「なぜそうなるのか」の説明は必要不可欠です。 本サイトで理論の補完をしながら読み進めれば、パースに関する一通りの理解は得られると思います。


建築の新透視図法

いわゆる建築パースの本になります。よって、この本に描かれている作例は基本的にすべて建築物です。 足線法、測点法、介線法、基線法などの各図法について、具体例を伴った作図法が示されています。 理解図も掲載されており、著者の透視図法に関する数学的理解の深さがうかがい知れます。 本書で登場する「平行透視」および「成角透視」という表現は、それぞれ「一点透視」および「二点透視」を意味します。

本書の構成ですが、図面が大半であり、説明文の類はわずかしかありません。 よって、初学者がパースの学習目的で購入するには厳しい内容と言えます。 すでに透視図法に関する十分な理解のある方が、具体的な建築物の作図法を習得する際に、力を発揮する書籍だと思います。


射影幾何学入門

透視図法の基礎をなす数学「射影幾何学」に関する専門書です。 射影幾何学では、透視平面(PP)上に描かれる消失点や消失線に対応する空間上の図形をそれぞれ「無限遠点」「無限遠直線」と呼びます。 通常のユークリッド空間に、これらの無限遠○○を追加した世界が射影空間です。 また射影空間上の点や直線をある射影平面に投影することを配景写像といいます。 透視図法は数学的に見れば、配景写像そのものであると言えます。


よくわかる最新レンズの基本と仕組み

レンズおよび光学の基礎を解説した入門書です。 本書は技術的な意味での専門書ではなく、どちらかというと一般向け書籍に分類されます。 著者もレンズの専門家ではないそうです。そのため、物理あるいは数学的に厳密な解説はなされていません。 例えば、本書の中盤でレンズの公式(写像公式)の証明が登場しますが、 スネルの法則からの導出過程や、近軸近似に関する記述がないため、 公式がどのような前提条件を満たす場合に成り立つのかが理解できないと感じました。 (この本は、もともと「専門家向けではない」との断りがありますので、詳細に踏み込めないのはやむを得ないですが)

レンズの基本的な振舞いを理解するには、十分な内容であると思います。


キャラとモノの基本スケール図鑑

これは透視図法に関する本ではなく、身の回りにある物体の寸法を掲載したリファレンス本です。

測点法をはじめとする寸法測量の作図法は、パースのかかる世界に物差しを持ち込む技術であり、 導入すれば勘だけを頼りとする作図から解放されるというメリットがあります。 しかし、これらの技法を駆使するには、描こうとする物体に対して、その寸法を把握していることが前提条件となります。 本書を使えば、多くの絵描きが描くであろうものに対して、長さを知ることができます。



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